アフリカの国、エチオピアの音楽で使われる特徴的なスケール。

ethiopian-scale

中東や欧州、アジアなどの民族音階はよく知られていますが、ふとアフリカには特徴的なものはないのかと思ったこの頃。

気になったので調べてみると、何やらEthiopian Scales(エチオピアン・スケール)とかいう聞きなれないスケールがあるらしいので詳しく調べてみました。

エチオピアンスケールとは

そもそもエチオピアという国自体をよく知らなかったのですが、実はアフリカの国では珍しく植民地支配による影響をあまり受けなかったため、一年が13ヶ月あるなど、かなり独特な文化を持っているようです。
*文献によっては植民地化されたことがない国として挙げられることもあるそうですね。

そんな独特の文化を持つエチオピアではkiñitという言葉がスケールを意味するそうで、これは多くの民族音楽で見られるように5音階(ペンタトニックスケール)が主になります。

kiñitには大きく分けて4種類のスケールが存在しますが、他の民族音階などで似たような構成を持つものも多いです。

これらはいずれのスケールも十二平均律における音階で示されますが、実際にはアラブのマカームにおける微分音のように多少音程にズレが生じています。

音程のズレが故意的なものなのかは謎ですが、向こうで用いられる民族楽器の音程が不鮮明で安定しないことや、楽器製作時に同じ調律に仕上げられないといったことが要因の一つにあるのかもしれませんね。

また、ここでは深く触れませんがエチオピア音楽に用いられる楽器としてはマセンコ(Masenqo)やクラル(krar)、ワシント(Washint)といったものが挙げられます。

各スケールの特徴

Tizita

このTizitaにはメジャーとマイナーの二種類がありますが、いずれも日本におけるヨナ抜き音階と同一の構成となっています。

tazita

  • メジャー:C-D-E-G-A(=ヨナ抜き長音階,呂音階,メジャーペンタトニック)
  • マイナー:C-D-E♭-G-A♭(=ヨナ抜き短音階)

現地ではメジャーのものをFull Tizita、マイナーのものをHalf Tizitaと呼んでいるようです。

スコットランド民謡にヨナ抜き音階が多いということはよく知られていますが、遠く離れたアフリカの地にも同様のスケールが存在するというのは面白いですね。

Batti

Battiというスケールもメジャーとマイナーに分けられ、このうちメジャーは日本の琉球音階(ニロ抜き長音階)と同様の構成となっています。

batti

  • メジャー:C-E-F-G-B(=ニロ抜き長音階,琉球音階)
  • マイナー:C-E♭-F-G-B♭

Battiは地域によってスケールの音に若干の差異があり、特にメジャーのBattiの4th、若しくは5thを半音上げたものなどは特定の地域でよく使われているようです。

Ambassel

こちらも上述したスケールと同様に似たスケールが存在し、日本における都節音階と配置が同じです(C-Db-F-G-Ab)。

ambassel

上に挙げたものの他にもう一つ、このスケールにはDbとAbを半音あげたパターン(C-D-F-G-A)もあるみたいですが、実際にはあまり用いられないようです。
*こちらのスケールは律音階や中国の徴調式と同様で、メジャー・ペンタトニック・スケールの第4音から始めたスケールというと分かりやすいですね。

Anchihoye

最後に出てくるのがこちらのC-Db-F-Gb-Aから成るAnchihoyeというスケール。

anchihoye

Anchi Hoyeには上記のもの以外にも幾つかバリエーションがあり、それぞれに名称があります。

Ieyew Demamo:C-D-F-G-A(ミクソリディアンペンタトニック)
Yematebela Wofe: C-D-F-G-Bb(=ドリアンペンタトニック)
Shegaye:C-Eb-F-Ab-Bb(=フリジアンペンタトニック)

こうやって見てみるとなんて読めばいいのかわからず覚え辛いですね…

最後に

これらのスケールは和音階に近いものが多く、ともするとエチオピア音楽というよりかは純然たる和風楽曲になってしまいそうです。

現地の楽器でピッチをずらして鳴らしてみればまた違った響きになるのかもしれませんが、中々難しそうですね。

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CASA
作曲経験ほぼゼロの状態から、2015年より著作権フリーBGMの製作に乗り出した駆け出しの作曲家。感性と独学での作曲で生計を立てられるのかを身をもって実践中!ブログ「またたび音楽堂」では、音楽・DTMを軸に自身が興味のあることを幅広く発信しています。 ⇒プロフィール詳細
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