ニコニ・コモンズの音楽素材で収益を狙う際に気になるあれこれ。

2015_09_28_thumb_mini
2008年夏に導入されたニコニ・コモンズもいまや総素材数が約9万5000点という、中々大きなサービスとなってきました。

その後の2011年にクリエイター奨励プログラムが導入されてからはますます盛り上がりを見せるニコニ・コモンズですが、フリーBGMを製作・公開している身としてはやはり色々と気になることがあるのも事実。

今回は音楽素材に焦点を絞って、以下の項目について調べてみました。

1. ニコニ・コモンズのBGM登録数は?

この記事を書いている現在で音楽素材が約38,000点、BGMタグのついた音源は約17,000点あります。

大雑把に言えば約半数がBGMということになりますね。

ただし、実際にはBGMタグでも効果音や既存曲のカバー、アレンジ、ボカロ楽曲のインスト版などが含まれているため、純粋なオリジナルBGMの数はもうちょっと少ないと思います。

2. 収益を得ている方々のデータを集めてみた。

2015_09_29_ref_b_mini

フリーBGMを製作している方なら、収益を得ている人の音源がどの程度ダウンロードされていて、子作品の数がどれくらいなのか気になるのではないでしょうか?

というわけで調査のため、実際にコモンズによる収益を公開している“とある御三方”のデータを取ってみました。(見たら誰だか確実にバレますが 笑)

データ集計に関してはBGM、ジングルや効果音などの全登録素材を対象とし、数値の小数点以下は第二位を四捨五入しています。

また、曲数の()内はアイキャッチやジングル、効果音などの数を、作品登録率はダウンロード数に対する登録作品数の割合を表しています。

始めに断っておきますが、これは統計学に基づいた正確な集計ではないため、あくまでもこういう感じなんだなあという参考程度にご覧ください。

それではデータを見ていきましょう。

※数値は2015年9月末時点のもの

Kさん

音源初登録月:2013年5月

総曲数:201曲(4曲)

総DL数:12518
平均DL数:62.3/曲

親作品総登録数:1577
親作品平均登録数:7.85/曲

作品登録率:12.6%

Hさん

音源初登録月:2014年2月

総曲数:85曲(4曲)

総DL数:3428
平均DL数:40.3/曲

親作品総登録数:489
親作品平均登録数:5.75/曲

作品登録率:14.3%

Mさん

音源初登録月:2012年7月

総曲数:161曲(28曲)

総DL数:21122
平均DL数:131.19/曲

親作品総登録数:1608
親作品平均登録数:9.99/曲

作品登録率:8.6%

データを集計して感じたこと

まず作品登録率の平均が約10%なので、10回ダウンロードされたらそのうち1つは作品登録されていることになります。

ダウンロード数の真ん中あたり(総数17000件のうちの8500件目辺り)を中心に採ったデータもあるんですが、そこでも作品登録率は約10%と同じような数値となっていました。

自分自身もダウンロード数が10を超えた辺りで作品登録がされていたので、おおよその目安としてはその位なんだと思います。

また、親作品登録数についてですが、登録数ごとに分布を計算すると以下のグラフのようになりました。

2015_09_28_ref_e

半数近くが1~5個の作品数ということですが、登録がないものも1割近くあって個人的にはちょっと驚きでした。

データは載せてませんが、Mさんに関してはアイキャッチやジングルが多い(登録曲の約17%)ため、他二方とはちょっと違った傾向がでてました。(11~20、21~がいずれも10%超え)

ついでに登録月から換算してひと月でどれくらいのダウンロード数、作品登録数なのかも計算。

結果、一月あたりの平均DL数が382DL、平均作品登録数が40件となりました。

クリエイター奨励プログラムはその他にも色々と考慮されるため一概に収益については言えませんが、この数値は一つの目安として参考になるかと思います。

というかこれくらいにならなければ食っていけないかと思うとまだまだ道は険しいですね。

※追記※

御三方はコモンズ以外でも同一の音源を公開されているため、コモンズ以外でダウンロード⇒コモンズで子作品登録というケースもあると思われます。

3. ニコニ・コモンズのタグと検索について

2015_909_28_Ref_d_mini

上記のデータ収集の際にはダウンロード数上位50音源や、真ん中辺りの平均データもとったのですが、あまり参考にならなそうなので今回はあえて載せませんでした。

ただこれらのデータ収集では数値だけでなくタグについてもメモっていたので、タグについてもちょっとだけ書いていこうと思います。

よく使われるタグを把握する。

コモンズでは検索サポートに下記のようなフィーリングタグが画面右側に表示されます。

2015-09-27_154324

また、このタグは素材登録の際にも以下のように選択ボックスに候補として表示されます。

2015-09-27_160119_mini

ジャンルタグについて先に言ってしまうと、素材登録の際に表示されるジャンル以外のタグはほとんど見かけませんでした。

よく見かけたのはテクノ、ゲームミュージック、ジャズ、ポップなどでしょうか。(ただしテクノはコテコテのテクノというよりかは、テクノポップの様なものが多かった。)

それ以外ではアンビエント、オーケストラ、トランス、オルゴールなどのタグをたまに見かける程度です。

ジャンルタグ自体の設定がないものも意外とあったため、フィーリングタグとの兼ね合いもあるのだと思われます。(タグは合計で10個までなので。)

そのフィーリングタグですが、よく使われているのが”かわいい”や”ほのぼの”といった日常系のものと、”クール”や”カッコイイ”、”スタイリッシュ”といったカッコイイ系のもの。

これらのフィーリングタグは前述のとおり登録のさいにあらかじめ表示されるオプションでもあるため、多くの人は幾つかをこの中から選んでるのではないでしょうか?

つまり、これらのタグに関してはより多くの人が使うため、ここからタグをつければ同一のタグをつけた音源から辿ってくる利用者に見つけてもらいやすいです。

上記以外でもタグは自由に追加できますが、選択肢に表示されないタグの中でよく見かけたものとしては、「日常」、「楽しい」、「シリアス」、「明るい」などなど。

ただ、これはデータを集計する層によっても異なると思うので、あくまでも上位50曲とダウンロード数の中間層ではこうなってると思ってください。

タグとタイトルはどのようにつければ効果的か?

結論から言うと、タグは直接検索する以外にも他の音源のタグから飛んでくるということもあるので、できるだけ一般的でよく使われているタグを選んでおいたほうが無難です。

というのもニッチな検索をしようとする場合、利用者はタグではなくキーワード検索を使うことが多いと思われるからです。

ただキーワード検索はタグも含んで検索するため(後述)、定番タグの中に少しだけならニッチなものを入れるのはありでしょう。(その場合、他の曲のタグからの流入は減りますが。)

ここら辺はそれぞれの狙う層や考え方によっても異なるかと思います。

また音源のタイトルのつけかたですが、コモンズの表示ではタイトルと説明文の最初(大体36~38文字)が表示される仕組みになってます。

【BGM】涙に映る夜空【幻想・綺麗系】

のように【】内に情報を付加しているのはよく見かけます。

もしくは、

日常の風景に使われそうなBGM

などのタイトルで曲調を説明するものも時々みかけますね。
こちらはオーディオストックでもよく見かけるタイトルのつけ方ですね。

コモンズの検索と表示の関係

検索の仕組みについても書いておくと、タグ検索では文字通りタグのみを検索します(=音源タイトルも含まれない)。

一方のキーワード検索はタイトルや説明文中で一致する単語があるかを判断しますが、これにはタグも含まれます。

つまりタグ検索はキーワードを含まないが、キーワード検索はタグを含むということですね。

よって前述のとおりタグは他の作品と共通のものを増やし、ニッチな感じの単語はキーワードに追加するというのが無難です。

間違っても、

超究極乱神炎舞曲(スーパーアルティメット・ゴッド・ヘルファイア・ノクターン)

なんてタイトルをつけるのはやめましょう。

検索的にも将来的にも後悔します。(悪い意味で)広まります。百歩譲っても円舞曲はワルツです。

ちなみに検索の場合のひらカナの区別はタグかキーワードかによって変わります。

タグ⇒ひらカナ区別なし
キーワード⇒ひらカナ区別あり

このことからタイトルや説明文には一般的な表記・表現を使うのが検索的には望ましいです。

くどいようですが間違っても、

この聖楽曲<エンジェリック・コーラル>は現存する世界<ユニバース>で最も純粋で我が手を下すには及ばない共鳴しの音を統べし頂点の楽団狂想曲<カプリッチョ>

とか書くのはやめましょう。仮に見つけた人がいても( ゚д゚)ってなります。

さて、その他に英字の場合ですが、これは大文字・小文字をタグ・キーワード検索のいずれでも区別しません。(例:hello=HELLO)

あと漢字の場合は当然ですが送り仮名を含めて一字一句あっていないと表示されませんでした。(例:慌しい≠慌ただしい)

4. クリエイター奨励プログラムの収益とコモンズ活用法

2015_09_29_ref_g_mini

結局クリエイター奨励プログラムって稼げるの?

記事を書いている時点ではスコアが1ポイントも入っていないので、この点に関しては現段階では何とも言えません。

2016年1月現在、予想スコアではありますが、推測も含めて何となく気付いたことを書くと以下のような感じです。

1.子作品で複数の素材登録がされている場合、スコアが少ない傾向がある(=自分の素材だけが使われているとスコアは大きい?)

2.二次創作品より料理系や技術部のような一次創作品の方がスコア付与率が大きい気がする。

1に関しては動画内での素材の使用時間に応じてスコアが変わるかも?とも思ったのですが、運営が一つ一つ動画を調べているとは考えづらいので、動画自体のスコア/素材登録数で配分されているのかもしれません。

2についても同様で、どのようにして振り分けているのかという疑問が残るため、自分がたまたまそのようになっているだけなのかもしれません。

肝心のスコアについてですが、登録を始めて4ヶ月目の子作品数が40くらいの現段階では、少なくとも約2000/月はスコアが入る感じです(まだ確定スコアではないのであくまで参考までに)

コモンズで音源素材を公開するメリット

コモンズで素材公開する利点を書いておくと、実際に音源が動画に使用されたのを聴けるのは中々勉強になります。

単体で聴いたら迫力がありすぎた効果音も、動画が付いたらちょうどいい感じになったとか、自分の音源がどのような状況・動画で使われるのかを知れるといった具合です。

あと自分の場合は使われると単純にモチベーションがあがるという面でもメリットがあります 笑

他のサービスと併用するのが吉

コモンズで公開することのみを目的に音源を製作する場合、効果が出るまで長期のスパンが必要になるため、モチベーションが中々あがらないという問題もあります。

従ってメインとしては他のサービスのために製作し、ついでにコモンズにも同じものを公開するというやり方の方が良いのではないかと思います。

ねこんぶの場合は音楽素材の公開がメインですが、以前紹介したDOVA-SYNDROMEでも一部重複して音源を公開しています。

フリーBGMの配布サイト、DOVA-SYNDROMEに登録しました。
フリーBGMの配布サイトの一つであるDOVA-SYNDROMEに、先日遂に登録しました。 DOVA-SYNDROMEとは D...

同記事でもちょろっと触れてますが、こちらではコモンズでの親作品登録を促す表記があるので中々ありがたいです。

終わりに

試聴をしながらデータ集計をしてたので大体の傾向がわかってきたのは個人的によかったです。

データの集計に関しては試聴再生数や動画再生数、曲調なども細かに調べていけばもっと詳細な情報がわかるのかもしれませんが、そんな労力も時間もありませんでした。

本当はオーディオストックとかDOVA-SYNDROMEでもこういうデータ集計みたいなのをしてみたいんですが、

もうエクセルと睨めっこするのはご免だ!!

というわけで、ブログに書く記事がなくてお困りの方はやってみてはいかがでしょうか?

☆関連するオススメ記事☆

ロイヤルティフリー楽曲のストック音源販売サービス、Audiojungleを利用した感想。
オーディオストックを始めとして、ここ数年日本でも徐々に浸透してきたストック音源販売サービス。 私自身も登録はしておりますが、そ...
The following two tabs change content below.
CASA
作曲経験ほぼゼロの状態から、2015年より著作権フリーBGMの製作に乗り出した駆け出しの作曲家。感性と独学での作曲で生計を立てられるのかを身をもって実践中!ブログ「またたび音楽堂」では、音楽・DTMを軸に自身が興味のあることを幅広く発信しています。 ⇒プロフィール詳細
スポンサーリンク
スポンサーリンク